令和5年12月26日(火)に、鹿児島県医療的ケア児者家族会が主催する避難行動を見学しました。
医療的ケア児である柿内瑛斗君は、普段からたんの吸引器や人工呼吸器を必要としています。今回は「地震により自宅避難が困難になった」という設定で瑛斗君の自宅から、避難所(近隣の小学校)に徒歩で移動しました。
避難時の持ち物は呼吸器やポータブル電源等、瑛斗君のものだけで53㎏あり、準備に1時間以上を要したそうです。停電となっている想定のため、エレベーターではなく階段を使い、家族で数回往復して準備した荷物や、瑛斗君の乗るバギー型車椅子、瑛斗君自身を下ろしました。ここまでかかった時間は20分ほど。
荷物はバギーの座面の下に積んだり、自前の台車に積んだりして出発しました。歩いていると難なく乗り越えられる段差でも、瑛斗君にとっては付けているチューブが喉を刺激し得る段差のため、慎重にバギーを押す必要があります。校内は上りはスロープが整備されていましたが、下りは階段のままになっている小階段があり、ご両親2人がかりで瑛斗君の乗ったバギーを下ろしていました。避難所に着いてからも、小学校に非常用電源が整備されていないためご家族の不安は尽きません。たんの吸引器や人工呼吸器を使用すると、ポータブル電源は最大8~10時間持つかどうかとのこと。非常用電源がなければ瑛斗君の命に関わります。その後、関係者で課題等について意見交換を行いました。
※今回の避難行動は、鹿児島県医療的ケア児者家族会が企画して行ったものです。
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