授乳の仕方
- まずはお母さんが楽な姿勢になりましょう。ソファーや壁に寄りかかってもいいですね。
- 赤ちゃんの鼻のあたりとお母さんの乳首が同じ高さになるようにします。このときに顔と体がねじれていないか、一直線になっているか確認しましょう。またお母さんと赤ちゃんがしっかり密着するようにしましょう。
- 赤ちゃんを支えている手と反対の手で、親指は乳輪のやや上方他の4本の指は乳房下部を支え、乳首を突出させます。
- 赤ちゃんの顔がやや上向きで、赤ちゃんのあごがお母さんの乳房に触れるように調整し、赤ちゃんが大きく口を開けたらハンバーガーを食べるように、乳輪が隠れるくらい深く乳首を含ませます。(写真1、2)。ゴクンゴクンなどと、飲んでいる音が聞こえるか確認しましょう。
- 赤ちゃんがしっかり乳首をとらえたら、抱っこしている手が楽になるようにクッションやバスタオル等で膝や授乳クッションとの隙間を埋め、肩の力を抜きます。(写真3は横抱きバージョン)
- 赤ちゃんとの授乳タイムを楽しみましょう!
- 乳首にトラブルがなければ、授乳時間は長くても構いません。時計を気にせず、欲しがるだけ飲ませてあげましょう。
- 赤ちゃんはお腹が空いてから泣くまでの間に、口をモグモグしたり手などを口に持っていって吸ったりするサインを出してくれることも多いもの。そのサインを見逃さず大泣きする前に授乳すると、上手に吸えることもあります。
(写真1)
(写真2)
(写真3)
おっぱいトラブル時の対処法
1.乳房にしこりがあり、痛みを伴うとき(乳腺炎を含む)
- 授乳回数を増やす
赤ちゃんを起こしてでも、飲んでもらう回数を増やしましょう。飲んでもらうだけで良くなることも多いです。 - 飲ませ方の工夫
しこりのある部分に赤ちゃんの下あごが来るように、縦抱き・横抱き・フットボール抱き等、赤ちゃんの姿勢を工夫してみましょう。赤ちゃんは舌で乳首をしごきながら飲むので、舌のある部分(下あご、難しければ鼻)をしこりの部分に持ってくると、しこりが小さくなる事もよくあります。 - 食事内容を見直す
母乳は食べ物から作られます。脂肪や糖分の多い食事は、乳腺に母乳が詰まりやすくなるとも言われます。トラブル時は、特にあっさりした和食を心がけましょう。 - 冷罨法
アイスノンでは冷やしすぎるので、ソフトに冷やす方法を試してみましょう。
- キャベツ湿布
しこりの部分にキャベツの葉を貼り、落ちないように上からブラジャー等で押さえます。その際、乳首の部分は避けるようにしましょう。体温でしおれたり温かくなったら交換しましょう。 - ジャガイモ湿布
ジャガイモの皮を剥いてすりおろし、耳たぶくらいの固さになるくらいまで小麦粉を入れて混ぜます。キッチンペーパーやガーゼ等に5ミリ程度に伸ばして包み、しこりの部分に貼ります。汁がにじみ出るので、上にラップ等をかぶせブラジャー等で押さえます。 - 里芋湿布
ジャガイモ湿布と同様に作ります。市販の里芋粉を使ってもよいでしょう。
※いずれも、かゆみなどが出る方は使用を控えましょう。
2.乳頭に傷や白っぽい点(白斑・水疱など)があるとき
- 飲ませ方を見直す
乳首がまっすぐ赤ちゃんの口に入っているか、乳首を引っ張って飲んでいないか、赤ちゃんの唇がアヒルのように外側に開いているか確認しましょう。 - 食事内容を見直す
母乳は食べ物から作られます。脂肪や糖分の多い食事は、乳腺に母乳が詰まりやすくなります。トラブル時は、特にあっさりした和食を心がけましょう。 - 詰まりを取る
事前に乳首にオイルなどを塗布してから入浴し、やさしく詰まりを取ってみましょう。
体を温めると乳腺が開き、詰まりが取れやすくなります。取るときには詰まりを押し出すように、乳首の根元から先に向かって圧迫してみましょう(写真4)。 - 痛みが強く授乳できない時
あまりにも痛みが強く授乳が困難な時は、搾乳するのも1つの方法です。搾乳器を使っても良いですが、手搾りの方が痛みは少ないかもしれません。
針などで取ると、細菌が入ってトラブルになることがあるので避けましょう。
(写真4)
3.母乳が足りないのではないかと思うとき
母乳不足と母乳不足感は違います。特に3ヵ月頃までは頻回に欲しがることも多いもの。母乳をゴクンゴクンと飲む音や、1日にオムツにおしっこがたっぷり6回以上出ているか、赤ちゃんの肌つやはどうかなど、体重以外で目安になるものもあります。
- 授乳回数を増やす
赤ちゃんが乳首に頻回に吸い付くことで、プロラクチンやオキシトシンといった母乳分泌に関わるホルモンが活性化します。反面、授乳回数が減ると分泌量も必然的に減っていきます。3ヵ月頃までは1日に10回以上を目安に母乳をあげてみましょう。この時期赤ちゃんは短時間で母乳を欲しがり、授乳間隔が3時間空かないことは普通の事です。また母乳は夜作られるとも言われます。母乳をあげている間は、少なくとも夜1回は授乳をするようにしましょう。 - 身体を温める
母乳は血液から出来ているので、体が温まり血液の流れが良くなると分泌量も増えます。母乳に良いと言われるような温かい飲み物を飲む、お風呂に浸かって身体を温める、寒い時期にはしっかり着込むなど、身体を温める工夫をしましょう。 - 身体を休める
ストレスや疲れは母乳分泌量を減らします。赤ちゃんが寝ている間に自分も一緒に休む、どうしても体がきつい時は、少しミルクを足してみるのも一つの方法かもしれません。
※自分では対処しきれない時には、病院や助産所などの母乳外来を利用する方法もあります。
赤ちゃんとの母乳生活。楽しめるといいですね!
(訪問看護ステーション ファーストよりご提供いただきました。)